愛猫ライが教えてくれた夏でも危険なヒートショックについて

昨夜経験したことを忘れないうちに書き留め、

皆様の大切な犬猫の子供たちに同じようなことがないよう、

少しでも何かの役に立てたらと、こちらに記事として残そうと思いました。

「災害級の暑さ」と呼ばれている今年の夏、動物たちにも影響が出ています。

皆様にも是非知ってもらいたくて共有いたします。

時系列で書くので長文になることをお許しください。

昨夜写真の子、ライ(雄)が突然急変し、今朝旅立ちました。

7/1で6歳になったばかりでした。

ライくんは保護猫で、劣悪な環境で飼育され、

マンチカンなのに足が長いということで、飼育放棄された野良猫でした。

(目と額の模様(今は消えたのですが)が特殊なので後に保護団体が突き止めました)

外での生活が長かったため、人に慣れずビビりな子で、

動物に対してはオープンな子でやんちゃでした。

アトリエのアイコンにもなっている、優しいフレブルのフクくんと

エキゾチックロングヘアのソラくんが特に大好きでした。

トラウマからなのか人が怖く、スキンシップができ始めたのは

2年前くらいからでした。

引き取った時は8ヶ月くらいで、栄養状態も悪く、

病院に通いましたが、心雑音疑いはあったものの後にクリアになり、

血液検査も大丈夫だったので、1歳になる前に去勢手術もし、

病院に連れて行くのも大変なライくんでしたが、毎年の血液検査は良好。

6歳を健康に迎えたと思っていたところでした。

一昨日の夜までは食欲もあり、普通に過ごしていました。

そして昨日の朝、食欲が少しないような、でも遊ぶし走り回るし・・・と少し様子見をしながら、

やはり気になるので病院に連れて行こうと思い、

本来なら本日かかりつけ医にコタローくん(パピヨン15歳介護中)と

一緒に連れて行く予約をしていました。

ですが昨日の夜に急変。ハァハァと息が荒くなり、

これは明らかにおかしいと思い、夜の8時だったこともあり、

かかりつけ医は時間外のため、都心の救急の獣医に駆け込みました。

呼吸がさらに酷くなったライを獣医師に預けて、

何も説明されないまま待つこと約2時間、

戻ってきた医師に紙で治療費や対処法などを提示されました。

診断は肺水腫でした。

レントゲンを撮ったところ、心臓が肥大しているわけでもなく、

原因は特定できないものの、肺に水が溜まっているので肺水腫であること、

そしてそれが重症であることは間違いないとのことでした。

びっくりしていると先生の説明で信じられない言葉を聞くことになります。

まず入院してもらいます。1泊12万かかります。

でもこの様子だと数時間で亡くなる可能性が濃厚です。

そして心配蘇生の場合は一回につき二万円かかるとのことで、

了解を得る時間がない場合は2回蘇生処置をやった場合4万円以上追加されますとのこと。

入院してすぐに亡くなった場合は15分の面会のうちに取りに来てくださいと淡々と説明され、

待合室に戻されました。

今日の朝まで普通だったのに。なんでこんなことにと思いながらも、

同意書にサインをしながらいろいろ考えていました。

その間もライはバックヤードで検査を行なっているようでした。

同意書は書いたものの、説明されて状況を把握するために色々考えた結果、

「助かるのなら、命のためなら何にも変えられない・・・入院させよう」と思っていたのですが、

先生の説明ではほぼ助からないとの診断と、そのタイムリミットは刻々と近づいてるということ、

そして入院をしたら飼い主は待合室で待てることも出来ず、帰って連絡を待つことになるということ。

冷静に今ライにとって何が最善なのか、ライだったらどう望むのかを考え、

犬猫の兄弟たちが大好きなライがこんなところで最期を迎えたいと思うはずがないと思い、

100%入院という流れだったのですが、もし旅立つなら家で行かせたいという趣旨を伝えて、利尿剤を打ってもらい、

約7万円を払い、移動用の酸素機を借りて帰るようにしたのですが、そこからまた2時間ほど待ち、

家に戻ってくることができたのは夜の12時前でした。

酸素室を用意している間、ぐったりしているライをたくさん撫でました。

野良猫出身だった故に抱っこなどがほぼできなかったライを抱きしめたのは、

この時が最初で最後になりました。ふっくらした体、ビロードのような毛並み、

初めて腕の中から顔を覗く視線、なんでこんなことになったんだろうと思いながらも、

愛しい時間でした。

家に帰ってくる選択をして良かったと改めて思ったのは、

大好きな犬猫兄弟との再会の時でした。

保護犬も猫も沢山いる中で、特にライが大好きなフレブルのフクや

ほぼ同じ歳で気の合う先住猫のソラに会ったら安心したのか、

にゃーと鳴くようになりました。

その時心配してぺろぺろ舐めるフクとの様子です。

(動画です。クリックすると再生されます。

努力性の呼吸が見られますが落ち着いているようにも見えます)

editVideo2

酸素室準備中にずっと離れないソラの様子です。

酸素室に入ったらすごく落ち着いた呼吸になり、

様子を見たりしながらも朝の5時まで見守っていたのですが、

飼い主も持病があるため、今なら少しだけでも寝れそうだと思い、

自室でフクたちを連れて2時間くらい寝てしまいました。

夢なのか、大きな声でニャー!って聞こえて、(距離的に聞こえるはずないのですが)

まさかと思って見たら、起きたての姉が泣いて撫でている姿が見え、

もうライくんは旅立っていました。姉も看取れなかったようです。

でもソラはずっとそばにいたので、看取ってくれたと思います。

午前11時にFIPの子猫のことでお世話になっている獣医学の教授とzoom診療が出来、

救急の病院でもらった検査結果なども見てもらいました。

教授の言葉で死因がわかり、もやもやしていた疑念が晴れました。

原因はヒートショックとの推測でした。

ヒートショックとは、人間でも冬場になくなる方が多い、

急激な温度の変化によって血圧に大きな変化が起こり、

失神や心筋梗塞、脳卒中などが起きる健康被害のことです。動物にも同じことが起きると言うのです。

それは夏場でも例外ではなく、散歩で暑い外から帰ってきて、

ひんやりした家に戻った犬や、シャンプーなどで猫や犬の体温の変化が起きる時や、家の中での二階の暑いところから一階に一気に駆け降りてきた猫など、温度差が生じる場所やシチュエーションでは起こり得るようです。

教授によると今年は特に過酷な暑さのため、ライのように元気だったのに

ヒートショックにより突然亡くなる子が犬も猫も増えていて、その数は既に例年の3倍くらいの

体感だそうです。また、教授が言うにはクーラーの効いた一室で飼われている場合も盲点があり、

猫の場合はクーラーの効いた涼しいところでも、

一度キャットタワーとかに登ると、そこは30度超えてたりするというのです。

実際我が家も木造で天窓もある天井が高い家なのですが、

ソファのあたりが26度でも、キャットタワーや4段ケージの上は32度もあったりしました。

なので、サーキュレーターなどで循環させていたのですが、

今年はそれでもなかなか下がらず、下がっても28度くらいに留まってしまいます。

キャットタワーの上には行けないようにしていましたが、

ライはケージの一番上の方で寝ることが多く、そことクーラーの当たる場所との行き来で温度差があり、

教授の見立てではライの場合は温度差で心臓に負担がかかり、

血液検査には出ない程度の(超音波なら見つかったかもしれない)知らず知らずに進行していた心筋症が、

ヒートショックにより、いきなり悪化し肺水腫になったのではということでした。

今回ライで身をもって温度差による心臓への影響は犬や猫でも大きく、

人間でも突然死のリスクになるヒートショックが、動物にもあると初めて知りました。

夏が暑くなりすぎている今、例年のようには行かなくなっているのかも知れません。

「ママさんは辛いだろうけど、

犬猫の飼い主さんたちに広く知って欲しいので伝えて欲しい」とのことでした。

特に鼻ぺちゃな子、心臓の弱い子、腎臓や肺に疾患を抱えている子、てんかんや高齢の子には影響が大きく、ライのように突然死してしまう恐れがあるようです。

暑すぎる、また寒すぎる日は温度差を少なくしてあげることで、回避できます。

そして食欲がなくなった場合、

呼吸が荒い場合はすぐに病院に連れて行ってください。

同じような症状の見た目の熱中症または肺水腫は、どちらも命に関わる病気です。

早ければ助かる可能性が大きくなります。

どうかライのこのことで、少しでも多くの子が助かりますように。そう願ってやみません。

突然死はつらすぎます。

多くのママさんパパさんたちに、このことを知ってもらえたら嬉しいです。

8 件のコメント

  • 悲しいね…
    ライちゃんのご冥福を
    心よりお祈りします。
    unちゃんも自分を大切にしてね。
    愛してるよ。

    • みぃちゃんありがとう😭
      本当に突然で頭では分かっていても、
      心がついていかない状態で、ただただ回復できるって信じていたよ。
      動物のヒートショックはあっという間だから、
      ライくんは家に帰るまで本当に頑張ったんだねって言われたよ😢
      救急病院の対応も辛かったけど、
      あの時ライを意地でも連れて帰って、家で旅立てたことは救いだよ😭

  • ヒートショックですか…
    たしかに暑すぎますものね…
    全室エアコン付けて サーキュレーター回してますが
    高い場所は 温度差がでますよね。
    お辛いのに 教えていただきありがとうございます。

    • こちらこそ読んでいただいてありがとうございます😭
      今年は例年よりも暑く、夜でも気温が下がらないので、
      動物たちへの影響も大きい様です。
      我が家もクーラーとサーキュレーターを使っているのですが、
      天井に近い場所は28度以上ありました。
      風が微風でも感じられれば、温度の滞留はないので、リスクは下がる様です。
      タワーやケージの上の方にも届く様なサーキュレーターの設置を勧められました。
      誰にもこのような思いをしてほしくないです。ライの経験が誰かを救うことになればと願うばかりです。

  • お辛い中、情報をありがとうございます。
    ウチのブッチ姫さまも
    今まさに、熱中症発症中です。
    なかなか全快せず、3日おきくらいの通院で
    なんとか食欲を保てています。
    猫白血病を発症していて、3年前に直腸癌手術を乗り越えた子なので、二階の7畳間を彼女の個室にしています。部屋全体を満遍なく冷やすのは難しいですね。
    特に枚方の夏は酷暑なので。
    ヒートショックが夏場にもあるなんて、驚きました。
    ライちゃん。教えてくれてありがとう。
    本当にありがとうございます。

    ご家族の皆様
    ご心中お察しいたします。
    沢山泣いてあげてくださいね。
    ライちゃん 
    行ってらっしゃい。
    虹の橋にはウチの天使達が20猫ほど居るので
    仲良くしてくださいね。

    • こちらこそ読んでいただきありがとうございます😭
      猫白血病も発症していて、熱中症の治療をされているのに、
      食欲を保てているのはすごいです!
      直腸がん手術を乗り越えた強い子ですね😭
      頑張っていますね😭
      そして枚方市なのですね!
      今日は39・8度だったと報道されていたので心配です。
      実は昨日ライの葬儀を行ったのですが、
      同じく葬儀に来ていた隣の方は、
      パグちゃんを飼われていて、夜のお散歩の後に暑いだろうと冷水でシャワーをしたら、
      ヒートショックで亡くなってしまったようです😢
      例年行っていた習慣だったようですが、突然死してしまって後悔していました。
      本当に今年は多いのだと実感しました。
      こんな思いを誰にもしてほしくないです😢
      ライのこの経験がどうか少しでも命を守ることの役に立てたらと願うばかりです。

      お空に行ったら天使さん達と仲良くしてもらえたら嬉しいです😌

  • ショックな中皆の為に教えて下さりありがとうございます。
    うちも猫と犬がもうそろそろ6歳になるので他人事では無いと思いました(/~\)シクシク

    今年はどうしても室内の温度差が解消難しいですよね💦
    夏場のヒートショック聞いた事無かったので正直驚きました。。。

    • ありがとうございます😭
      6歳でもこんなに影響が出るなんて思いませんでした。
      突然すぎて、今でも夢だったんじゃないかと思う時があります…。
      本当に今年は過酷すぎますね😭
      今回のことがあってから、温湿度計をたくさん買い足して要所要所において確認するようにしました。
      やっぱり意外なところが暑かったりびっくりです。
      ちっちさんのワンちゃん猫ちゃんが快適に夏を越せますように🙏
      コメントありがとうございます☺️

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